社内で新しい部署で働くことになった。
同じ社内だけれど、仕事内容は今の仕事とはかなり異なるので、転職のような気分だ。
アメリカの会社の多くは、いったん入社すると、そのとき入った部署、ラインの中で昇進していくことが多い。
巨大企業の中にはマネジメント養成プログラムとして、さまざまな部署をローテンションするところもあるが、
多くの場合は、同じ部署の中で、どんどん責任のある仕事を任されて昇進していくかたちだ。
私は、今の会社に入社してからもうすぐ5年たつけれど、これまで同じ部署内で働いてきた。
部署内にもいろいろなチームがあり、その中をいろいろと動いてきた。
今の仕事は楽しいし、まだ成長の機会はあると思っているが、ラーニング・カーブはやはり緩やかになってきたのは否めなかった。
そこで、別の部署で、全く新しいことを学んでみたい、と思った。それによって、全く別の視点でビジネスを学ぶことができれば、と思った。20代のうちにできるだけ多様な経験をつんでみたいとおもった。
そんな風に悶々としていたときに、Women's Dinnerという、会社の20-30代の女性を20人ぐらい集めたお食事会に誘われた。
会社の女性Managing Director3人が発起者となり、キャリア志向の(?)後輩女性達を集めて励まそうというのが狙いのようだった。彼女らが自分の経歴や、キャリア上のチャレンジなどについて語っている中、一人のMDがこう話した。
「20代では、ひとつの部署、仕事にはまらないで、できる限りいろんな経験をつむようにしなさい。それが後々あなたのキャリアに大きな意味を持ってくるわよ。」
そして、自分が20-30代のときにしたいろいろな仕事が今いかに役立っているか、ということを実例を挙げて話した。
この話にはっとさせられた。
帰りの電車で、同じ方面に住んでいる同僚と語り合った。
お互いその話にはっとさせられ、「社内での機会を模索してみるべきだね」と励ましあった。
そのとき、「移るなら、あの仕事がいいな」と思える仕事が胸にあった。
次の日、会社のラウンジでちょっとしたパーティがあった。
なんとラッキーなことに、やってみたいと思っていた仕事の部署のヘッドの人がいるではないか。
以前も2,3回話したことがあったのだけれど、思い切って話しかけてみた。
そして、「あなたの部署にとても興味があるのだけれど、何か機会はあるでしょうか」と聞いてみた。
もちろんまわりに気づかれないように!
すると、彼の部下のチームで人を募集しているかもしれない、という。詳しい情報が分かったら教えるよと。
それがきっかけだった。
それから2,3週間後には社内のインタビューをいくつかすませ、部署移行が内定したのだ。
そして、これから新しい仕事の研修のために1週間カリフォルニアに行ってくる。
久しぶりに戻るカルフォルニアのオフィス。
そこで働いていたときには、まさか自分がそのポジションで働けるとは全く思ってもみなかったのに。
まだ不思議で信じがたい。
新しく同僚となる人に、新しい仕事で参考となる本をいくつか教えてもらい、即アマゾンで購入した。
分厚い数百ページの、教科書のような本だ。
まだぱらぱらとしか見ていないが、行きの飛行機の中でがむしゃらに読もう、と思っている。
今までキャリア上の変局点というのはいくつかあったが、今回のはかなり大きいぞ、と思っている。
そして、久しぶりに感じているこのドキドキ感を楽しんでいる。