ニューヨークに住んでいると、タクシーを使う頻度がかなり高くなる。

理由はいくつかある。

まず、日本のタクシーよりも安い(初乗り2.5ドル)から気軽に乗れること。

目的地まで行くには地下鉄をいくつも乗り継がなければならない場合。(とくに横方向に走っている地下鉄ラインはあまりない)

急いでいるとき。(NYの地下鉄の時刻表はあてにならないし、突然運休になることがしばしばある)

などなど。


NYCのタクシードライバーのほとんどが移民である。

世界中のいろんなところから集まってきた人たちだ。

私はタクシーに乗るといつも彼らに話しかけ、彼らの国についていろいろ話を聞くことにしている。

タクシーに乗っている、ちょっとした時間が、地理・歴史の勉強室と化すのだ。


まずドライバーの人種としては、インド系、パキスタン系が非常に多い。

次に中東系、アフリカ系。

中国系はたまーに見る程度。

白人のようだなと思うと、大体がロシア系とか東欧系。

アメリカで生まれ育ってNYCでタクシードライバーをしているという人にはいままであったことがない。

しかし、アメリカの地方都市に行くと白人アメリカ人ドライバーはそこらじゅうに溢れているのだが。


かれらタクシードライバーはほとんどみなFriendlyで話好きで、母国への愛がみなぎっている。

話をしていて「どこから来たの?」と聞くと、プライドを持って母国について語り始める。

そのうち、ドライバーの苦労話へとつながることがしばしば。


ほとんどが20代前半にアメリカに希望と期待を胸にやってきた。

それから10数年の紆余曲折を得て、いまはタクシードライバーなんだ、という話をしみじみとするのだ。

「故郷の母ちゃんにはタクシードライバーやっているなんて知らせてないさ。自分のビジネスをうまくやってるって話してるんだ。だって、母ちゃんを失望させたくないもの・・」


人生論や宗教について話しだす人もいる。


タクシー業界の仕組みについても聞いてみた。

NYCには市から営業権を得たタクシー会社がいくつもある。(営業権を手に入れるにはオークションで3000万円ぐらいのお金を払うとか)

そのタクシー会社は規格どおりのイエロー・キャブをいくつも保有していて、タクシードライバー達にリース貸しをする。

私が話を聞いた人によると、リース料は週650ドルぐらい。

これを昼シフトと夜シフトの2人組みで負担する。(夜シフトはちょっと少なめに負担)

だから一人当たり週300-350ドルをリース料に当てる。

お客さんから得たタクシー料金とチップは全て自分の懐に入るわけだが、このリース料金や石油代などを引くと残りはわずかだとか。


最近は、インドと中東にとても興味があるので、彼らの国についていろいろと質問をしたりしている。

これらの地域に旅行に行きたいので、旅の前にいろいろと知識を得ておこうと思って。


と、まあ、NYCのタクシーは異文化体験ができるとても素敵な空間であります!